Vol.4 株式会社 阪神インダストリアルテクノロジー 代表取締役 金子 茂雄 氏

Vol.4 株式会社 阪神インダストリアルテクノロジー

阪神インダストリアルテクノロジー

株式会社 阪神インダストリアルテクノロジー

http://www.h-i-t.jp

  • 社員の特徴を表すキーワード:一緒に将来を考え、形にする
  • 会社のビジョンを表すキーワード:持続可能な成長発展
  • 入社して欲しい人に期待するキーワード:前向き、熱意、明るさ

金子 茂雄
代表取締役 金子 茂雄 氏
プロフィール
大学卒業後、東京のシステムコンサルタント会社にて経験を積む。2014年に阪神インダストリアルテクノロジー代表に就任後は大手システム開発から個人経営のシステム導入まで幅広くコンピューターにかかわる仕事を経験。一人でも多くの若者をITエンジニアに育成をモットーにキャリア相談から、技術者育成、就職支援までIT未経験者をワンストップでの就職支援に当たる。現在、AIやICT,IOTを見据えた子供や高齢者向けのIT教育プランを企画中。

阪神インダストリアルテクノロジーは、WEB制作、システム開発などを受託するIT企業でありながら、クリエイターやプログラマーなどITスキルを身につけるITスクールや職場体験の機会を提供するインターンシップを事業展開している。IT業界で30年以上活躍される金子社長に、IT業界の雇用環境から事業展開の背景と展望まで幅広く話をうかがった。

─ IT企業というとブラックなイメージがありますが

大手では、160時間/月もないこともあります

30年〜20年前は、銀行などを中心に事務系の仕事をコンピュータで処理するためのシステム開発が主でした。手書きの仕事がExcelでの作業になり、更にデータベースの活用へと発展していく流れがあったのですが、ゴールは決まっていても実現する方法は手探りで、1ヶ月と見通した仕事が実際3ヶ月かかる場合もありました。納期に合わせて残業でカバーすることも多かったわけです。私も200時間以上残業した経験もあります。
しかし、インターネットが普及し利用者の裾野も広がる中で開発の方法も標準化され、開発にかかる作業量も見えるようになってきました。ITの仕事も、スマホアプリやSNS、ゲームの開発、システムの保守・メンテナンスの仕事など、幅が広がり、業務の細分化も進んでいます。加えて、残業に対して非常に厳しくなりました。大手ではコンプライアンスの面からも、取引先も含めて勤怠管理をしっかり行っておりますので、以前とはまったく状況が違って、月の就業時間が160時間(8時間/日で20日相当)に満たない会社すらあります。人が長く働ける環境づくりが目指されています。

─ では、中小企業ではいかがでしょう

企業の見極めと自分がどんな働き方をしたいかが大切です

企業によりますが、以前と比べるとかなり残業は減っていると思います。弊社の場合、業務内容がある程度確立されていて、やることが見えているので、残業がほぼない状態になっています。定時間で作業を終えられるように計画し、だいだいその通りに実行できています。とはいっても厳しい業界ですので、大手企業に比べるとバラツキはあります。
残業が少ない大手企業への転職に必要なスキルの習得を目的に、弊社のITスクールに入学される方がいます。一方で、大手の仕事はやることも方法も確立されていてつまらないという方も来ます。実力を伸ばしたい、もっとできるという自信があって、スマホアプリやゲームをつくるなど新しいチャレンジをしたい人や技術を極めたい人もいます。つまり、残業を厭わずに仕事をどんどんしたい方もいるわけです。
では、何が大切か。ブラックかどうかは、本人の主観によるところも大きいので、自分がどうしたいのか、どんな仕事をしたいのかを知っておくことがまずは大切です。それに加えて、企業訪問して社員の方の話をよく聴いてみる、インターンで働いて実際に職場の様子を確かめてみることです。世間の噂、業界に対する思い込みに振り回されないことです。

─ 文系の学生でも大丈夫ですか

業務系開発には、社会経験のある文系が強い

実は私も文系出身です。文系出身者は、業務系システムの開発に強いです。業務システムというのは、会計、人事管理、生産管理、販売管理などです。会計システムであれば、見積書がきて、注文書を出して、請求書がきて支払をしてという業務フローが分からないとできません。また、お客様とのコミュニケーションが大切です。業種によって異なるお客様の仕事の内容や流れ、ニーズを理解する必要があります。いろいろなアルバイトを経験し、接客対応、モノやお金の流れなどを知っていることが強みになります。
加えて、業務系システムの開発は仕事として圧倒的に多いです。ITの仕事に必要なフレームワークやマニュアルは出来上がっていますので、それを勉強して理解することで十分に活躍できますし、活躍されている方も大勢います。

─ 学力に自信がなくてもでも大丈夫ですか

努力次第。光るモノを持って活かそう。

勉強ができないからITに向いていないことはありません。実際、偏差値50以下の高校や大学の出身であっても、努力次第でIT業界で成功できます。確かにSPIなどの試験では特に数学が弱かったりする場合が多いですが、負けん気が強かったり、人と話すことが得意だったり、ヒラメキがスゴかったりする人は素晴らしいと思います。勉強はしてこなかったけれども、部活でキャプテンを務めていて統率力があったりすれば、それを活かせばいいのです。
IT業界には様々な仕事があり、様々な人がいます。無遅刻無欠勤のコツコツタイプの人も必要ですし、それが苦手でも、他者との信頼関係づくりが得意な人も必要です。強みを活かすこと、努力することが大切です。

─ 女性でも活躍できますか

女性だけでなく、様々なライフスタイルに対応していきます

女性の割合はまだまだ少ないのが実状です。向き不向きや能力不足が理由ではありません。以前は大型で工期のかかるプロジェクトが多く、結婚出産の離職は敬遠される傾向がありました。でも今は、Webやスマホアプリなどの仕事が増えて、スキルさえあれば、女性でも仕事が継続しやすい環境です。
弊社では、一人ひとりの社員のライフスタイルを考慮した雇用環境づくりを進めています。社会全体としても、人材不足の深刻化、子育てや親の介護への対応の必要性が叫ばれ、テレワークを活用した在宅勤務、フレックスタイムなど様々な働き方の制度が広がっています。設計書があればプログラミングは家でもできますから、子育てや介護を抱えた女性でも仕事ができます。社員の実状もあり、積極的に取り組んでいます。

─ ITスクールやインターンシップまで手がけられていますが

社員の教育制度が基盤、リーマンショックにきっかけでした

ITスクールを始めたのは、2008年のリーマンショックを引き金に業界企業の多くが契約社員や派遣社員の多くを雇い止めにしたことがきっかけです。当時、弊社ではその数年前から新規人材の社内教育に力を入れていたこともあり、職業訓練校として認定されたことがスタートになりました。第二新卒や離職者等、就職を目指す方々が無料で受講できるITスクールとして継続しています。受講希望者は、ハローワークを介して認定校である弊社のスクールを無料受講できる仕組みです。

─ 将来に向けてはどんなことを考えていますか

ISO 29990の取得も視野に、IT系の人材育成を進めていきます

認定校としては、技術だけ教えていてもだめで、休職者にとって本当に合っている仕事、本当にやりたいことについても、向き合い相談に乗れることも大切です。そのため、社員にキャリアコンサルタントの資格を取得させました。この時、先陣を切らなければという気持ちで私も取得しています。
ISO29990(国際標準化機構が定める国際標準の一つで、民間の研修会社、学習塾や専門学校などが対象)の取得を目指しています。取得することで、受講者に対するサービスの品質を維持向上し、また、事業経営的にも持続的発展を可能にする仕組みができると考えています。
スクールやインターンシップの事業を通して、持続的且つ発展的にIT系の仕事で活躍できる人材を育成していきます。

─ どんな人材を求めていますか

前向きな姿勢が感じられる、明るさと熱意

最近の若い方は、仕事よりもプライベートを大切にする、ゲームに夢中になっているという傾向を感じます。反比例するように、仕事に対する積極性や野心は小さくなっているのではないでしょうか。
新しい仕組みづくりや課題について、みんなで考えて、みんなで色々な意見を出し合って、実際に形にしていく会社にしていきたい。仕事が将来の自分の成長につながっていく、将来への投資になる。そんな会社にしたいので、皆が「ハッピー」になっていくことを一緒にできる人材が欲しいです。これから世の中がどんどん変わっていきます。社会はどう変わって、会社はどう対応できて、我々一人ひとりはどう成長していくのかを話し合いたい。
見るポイントは、前向きか後ろ向きか。例えば、高校を中退していても、前向きで元気があれば応援したくなります。有名大学を出ていても、後ろ向きだとがっかりしてしまいます。こうなりたい、こうしたいという熱意、一緒に飲みに行きましょうと言える明るく元気のある人を求めています。

インタビューを終えて
前向きでバイタリティとフレキシビリティがある、金子社長から最初に感じた魅力である。変化と競争の激しいIT業界の中での会社経営から培ったものかもしれない。想いが合うのなら、ぜひ一緒に仕事をしようというフレンドリーな姿勢、課題があれば一緒に考えようとしてくれる優しさと信頼感に感動。そうした人間性に打たれ、ついつい長いインタビューとなってしまったことを報告しておきたい。

発行人:一般社団法人プレミア人財育成協会 代表理事 勝亦 敏