Vol.3 司法書士法人 F&Partners 代表社員 藤巻 米隆 氏

Vol.3 司法書士法人 F&Partners

司法書士法人 F&Partners

司法書士法人 F&Partners

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  • 社員の特徴を表すキーワード:弱みを見せ合える、互いに補い合える
  • 会社のビジョンを表すキーワード:100年先まで成長しつづける
  • 入社して欲しい人に期待するキーワード:素直さ、熱意、チャレンジ

藤巻 米隆
代表社員 藤巻 米隆 氏
プロフィール
認定司法書士。同志社大学法学部卒。1987年藤巻司法書士事務所を京都府に開設。2006年司法書士法人藤巻合同事務所に組織変更。2009年司法書士法人F&Partnersに組織変更。エンドユーザーの思いやビジョンを実現するサポート役、コーディネーターとして日々活躍中。

藤巻さんは、司法書士として独立開業後、紆余曲折を経て現在様々な士業の方を集めた司法書士法人の代表を務めています。個人ではなく、グループとして、お客様の課題解決をしています。個人事務所ではなくグループとして活動する上での、ねらいや運営上の工夫、今後の展望についてうかがいました。

─ グループにした理由はなんですか

ワンストップで様々なお困り事に対応するため

司法書士だけですと、できる範囲が限定されます。お客様のお困り事を解決していくには、司法書士以外の士業が必要になります。また、お客様はどこに相談すれば良いのか分からないことも多いものです。いろいろな所に出かけなくても、ワンストップ(一箇所)でトータルに問題解決できることでお客様に喜んでいただけると考えました。今は、行政書士や社会保険労務士などと連携して対応しております。

─ 士業の方は独立志向が強い印象があります

連携することの相乗効果が見えたら変わります

士業に携わる人には、独立志向の方が強い方が多いのは事実です。私自身も4年間事務所務めしてから、独立した経緯があります。開業のきっかけは、30年前ぐらいの話ですが、当時は資格を持っていると働ける場所が限られたこともあり、若手が働ける場所をつくりたいという思いがありました。独立志向の強い方でも、仕事の規模が大きくなったり、一人ではできない仕事を目の当たりにすると、私たちのグループが持つ資産を活用した方が良いと判断するようになります。一つの士業では取れない仕事や対応できない仕事も、グループだとできるという相乗効果やメリットもあり、グループでの取り組みが定着してきました。それでも、ここで技術を身につけて独立していく方はいます。

─ 独立していく方への想いはいかがですか

Win-Winの関係づくりを絶えず模索しています

以前は、せっかく教えたのにと腹が立つこともありましたが、今は引き留めるだけの魅力がなかったと認識しています。独立志向の方と、Win-Winの関係を維持できるような組織体にしようと絶えず模索中です。自由裁量で自己完結できる部分もありながら、共通のベクトルを合わせていくことを目指しています。自分たちでどういう仕事をするのか、どういうチームをつくるのかということを、それぞれが考えて自己責任で決めていくようにしています。

─ どんな職場を目指していますか

弱みを見せ合い、互いに補う風土づくりです

風土改善委員会がありまして、所内の雰囲気、風土をもっと変えていきたいと取り組んでいます。一人で抱え込んで行き詰まったり、変に気を使って言うべき事を言わないとか、誰かがやってくれると思い込んで手を出さないという場面をなくしたいという想いからです。
目指しているのは、チームでお互いに弱みを見せ合うことができ、お互いに補い合う関係がつくれる風土です。弱みを克服することは大切ですが、一方で、弱みを隠さずに出すことによってメンバー間でしっかりカバーできたり、助言しあえたりできると思います。自立というのは、なんでも自分でできるということではないはずです。一言で言えば、チームワークの取れる組織風土づくりを目指しています。チームとしての生産性を上げるための評価制度も整えつつあります。

─ グループとして目指しているものはなんですか

ずっと先まで、お客様の困っている課題に寄り添う存在でありたい

100年続くグループにしようと考え、スタッフにも伝えています。今はよくても、将来的によくないのであればその行動は止めましょうと。現在のメンバーは100年後にはいませんが、将来生きている人にバトンタッチできるようにしたいと考えています。
補足すれば、今の司法書士法人がそのまま残るとは考えていません。AIやロボットによって士業の形態は大きく変わっていくと思います。形は変わるかもしれませんが、お客様としっかりと接点を持って、困っていることを引き出して解決できるコーディネートをするのは、「人間の仕事」として続いていくことでしょう。

─ すでに成功しているという印象ですが

まだまだこれから成長していきます

成功と言えるのは、まだまだこれからだと考えています。事業としては計画しているものが着実に進んでいます。今後は京都、大阪、東京に加えて長野や名古屋に事務所を出すことも具体化していますし、必要に応じて採用も予定しています。選択と集中を判断しつつ成長していきたいと考えています。

─ この仕事に求められる人間性はなんでしょうか

素直さと行動する熱意が大切です

お客様の困っていることを素直に感じて解決してあげられることが大切だと考えています。それには、素直さ、熱意、チャレンジ精神が求められると思います。人によって成長速度が違います。人が成長すると組織も成長します。決めた目標に対してしっかりコミットして努力することを期待しています。

─ 採用希望者に対していかがでしょうか

資格だけでなく、リーダーシップやマネージメント力の発揮に期待しています

資格はあってもなくても良いです。入ってから取得することもできますし、取得しなくても構いません。
3年もすれば専門能力はある程度身につきますが、それ以上にステップアップするには、人を育てられる、数値管理や人の管理などのマネジメント能力が必要になります。その点では普通の企業と何ら変わりません。それゆえ、リーダーシップやマネージメント能力を発揮したいという方も大歓迎で、そのスキルをしっかりと評価します。

─ 今の若い方たちへのアドバイスをお願いします

いろいろな人と交流し、失敗や成功の経験をしてきて欲しい

よく遊んでおくと良いと思います。一つのクラブに限定せずにいろいろな人と交流する。遊びを通して同じことを共有したり、失敗することで悩んだり、人間関係の中でいろいろ揉まれておくと良いと思います。失敗経験、成功体験の両方をしておくことが大切だと思います。

─ 最後に座右の銘を教えて下さい

随処に主となる

禅で「随処作主(ずいしょさしゅ)」という言葉があります。人生の主人公は自分自身。どこにあっても環境や境遇に左右されず、常に自己の主体性を失わないでいる姿勢を言います。大切にしたい心構えです。

インタビューを終えて
藤巻さんのお話をうかがうまでは、士業と聞くと資格者が個人で自己完結するものだという先入観がありました。士業グループの開設は、お客様の利便性向上や課題解決のために必然的な成長の方向性だったと理解しました。それゆえに藤巻さんのグループでは、チームワークを機能させられる、リーダーシップやマネージメント力を持った人が期待されていました。それは、どこでも求められる力、どこでも活用できる力なのではないでしょうか。

発行人:一般社団法人プレミア人財育成協会 代表理事 勝亦 敏